葬儀のお供え物として落雁を選ぶ際、どのような点に注意すればよいのでしょうか。スーパーマーケットや仏具店、和菓子店など、様々な場所で落雁は販売されていますが、弔事にふさわしいものを選ぶにはいくつかのポイントがあります。まず最も大切なのは、その形状です。葬儀や法事で一般的に用いられるのは、蓮の花をかたどったものです。これは前述の通り、仏教における極楽浄土の象徴であり、故人の成仏を願う気持ちを表すのに最も適した形とされています。蓮の他にも、菊の花や果物の盛り合わせを模した落雁も弔事用として広く使われます。一方で、鶴や亀、松竹梅といったおめでたいとされる縁起物をかたどった落雁は、慶事用ですので絶対に選んではいけません。次に色合いですが、弔事用の落雁は白を基調とし、緑やピンク、黄色といった淡い色が使われているのが特徴です。原色に近い派手な色合いのものは避け、あくまでも故人を偲ぶ場にふさわしい、控えめで落ち着いた色調のものを選びましょう。落雁は大小様々な大きさのものがあり、祭壇の規模やご自身の予算に合わせて選ぶことができます。一対で飾れるようにセットになっているものや、籠に盛られた豪華なものまで多岐にわたります。もし遺族の立場であれば、祭壇全体のバランスを考えて大きさを決めると良いでしょう。参列者として持参する場合は、あまり大きすぎるとかえってご遺族の負担になる可能性もあるため、常識的な範囲の大きさのものを選ぶのが賢明です。購入する際には、のしの表書きにも注意が必要です。四十九日より前であれば「御霊前」、四十九日を過ぎていれば「御仏前」とするのが一般的です。お店の方に葬儀用であることを伝えれば、適切なものを用意してくれます。心を込めて選んだ落雁は、故人とご遺族への何よりの弔意の表現となるはずです。