老眼鏡やリーディンググラスを使用する人にとって、メガネを首から下げるための「眼鏡チェーン(グラスコード)」は非常に便利なアイテムですが、葬儀というフォーマルな場において、それがアクセサリーと見なされマナー違反になるのではないかと心配する声も少なくありません。結論から言えば、眼鏡チェーン自体が禁止されているわけではありませんが、その素材やデザインによっては不適切と判断される場合があるため、選び方には慎重さが求められます。例えば、ゴールドやシルバーの金属製チェーンで、キラキラと光を反射するものや、カラフルなビーズ、大きな天然石、フェイクパールなどが連なったデザインのものは、ネックレスのような装飾品としての要素が強く、華美であるため葬儀にはふさわしくありません。一方で、黒の組み紐や革ひも、シリコン製などのシンプルで光沢のない素材のものであれば、実用品として許容される範囲内であり、特に色は「黒」を選ぶのが最も無難で間違いのない選択です。また、真珠(パール)がついたチェーンに関しては、真珠は「涙の象徴」として葬儀で身につけることが許されている唯一の宝石ですので、ブラックパールや白の真珠があしらわれた控えめなデザインであれば、喪服との相性も良く、上品な装いとして受け入れられることが多いですが、あまりに粒が大きかったり、数が多かったりするものは避けるべきでしょう。もし、適切なチェーンを持っていない場合は、チェーンを外してメガネケースに入れて持ち歩くか、ジャケットやバッグのポケットにしまうようにし、必要な時だけ取り出して掛けるという動作を心がければ、マナー違反を犯すリスクをゼロにすることができます。眼鏡チェーンはあくまでメガネを落としたり失くしたりしないための補助具ですので、その機能性を超えてファッション性を主張するようなものは避け、黒子に徹するような目立たないデザインを選ぶことが、葬儀における小物のマナーの鉄則です。