男性が葬儀に参列する際、喪服やネクタイ、靴に気を配る方は多いですが、靴下はつい普段通りのもので済ませてしまうケースが少なくありません。しかし、和室での葬儀など、靴を脱ぐ場面は意外と多く、その際に不適切な靴下を履いていると非常に目立ってしまいます。ご遺族に不快な思いをさせないためにも、男性の葬儀用靴下のマナーを正しく理解しておくことが不可欠です。まず基本中の基本は、色と柄です。必ず「黒無地」を選んでください。紺やダークグレーなど、黒に近い色であっても葬儀の場では不適切です。また、たとえ黒地であっても、柄物やワンポイントの刺繍、ブランドロゴなどが入っているものは避けなければなりません。ビジネスシーンで許容されるような小さな刺繍であっても、弔事の場ではマナー違反となります。次に重要なのが靴下の長さです。椅子に座った時や跪いた時、ズボンの裾が上がって素肌が見えてしまうのは見苦しいとされています。そのため、くるぶし丈のショートソックスやスニーカーソックスは絶対に避け、ふくらはぎの中ほどまで長さのあるミドル丈やロングホーズを選びましょう。これにより、どのような姿勢でも肌が露出する心配がなくなります。素材については、綿やウールなどの天然素材が一般的ですが、光沢のあるシルクや化学繊維のものは避けましょう。リブ編みの靴下は、無地であれば問題ありません。むしろ、適度なフィット感があり、ずり落ちにくいという利点もあります。普段、黒い靴下を履く習慣がないという方も多いかもしれませんが、いざという時のために、葬儀用の黒無地の靴下を一足、喪服と一緒に保管しておくことを強くお勧めします。突然の知らせに慌ててコンビニに駆け込むといった事態を避けることができ、落ち着いて故人を偲ぶ準備を整えることができるでしょう。足元の細部にまで心を配ることが、大人の男性としての品格を示すことに繋がります。
男性が知るべき葬儀用靴下の選び方